昨年11月末、ドイツを訪れました。ケルンでドイツ語を学びながらブリュッセル(ベルギー)の教会で宣教師として働く後輩牧師がいたのですが、その働きを支える支援会の責任を私が担っていたので、一度様子を確認し、励まそうということになったのです。戦争によってロシア上空を飛べないために、北極の上空を飛ぶロングフライトは13時間以上でした。ただ、北極を越える時、小さいながらも機窓からオーロラを見ることができたのはラッキーでした。
フランクフルト空港に到着し、ICEという特急列車でケルンまで小一時間、ケルン中央駅を降りて外に出ると、世界遺産のケルン大聖堂が目の前にドーンとそびえ立って出迎えてくれました。私にとっては初ドイツ、初ヨーロッパ。テレビや写真など、映像でしか見たことがない景色が目の前に広がり、見るもの、聴く音、匂い、気温、風など、異国の地に立っていることを感じながら、あらゆる感覚を覚醒させていきました。
クリスマスの準備を始めるアドベントに入ろうかという時期だったので、各地でクリスマスマーケットが開かれていました。クリスマスにちなんだグッズや食べ物屋さんなど、何十軒もの屋台が並ぶお祭り広場的なものです。クリスマスの飾り付けをするためのデコレーショングッズがたくさん並んでいるのを見て、日本のクリスマスマーケットももっと充実して欲しいなと思ったのでした。
数日かけてケルン近郊やブリュッセルを訪れた後、バルセロナ(スペイン)に飛びました。「バルセロナ日本語で聖書を読む会」という日本人クリスチャンの集会があり、時々オンラインで参加していましたが、せっかくならバルセロナまで足を伸ばし、対面で聖書のお話をして欲しいと招かれたのでした。これが忘れ得ぬ体験になったのです。なぜなら、集会の会場が世界遺産でもあるサグラダ・ファミリア教会だったからです。
観光客が見学できる大聖堂の一角から地下に降りると、250人以上が入れる立派な地下聖堂があります。集会はここで行われました。参加者はわずか10名強でしたが、ガウディが設計した説教台の前に立って聖書のお話をさせていただいた機会は、今思い出しても震えるほどレアな体験でした。
人生には予期せぬ様々なイベントが発生するものです。良いものばかりでなく、望まないイベントの発生も避けられません。でも、私たちは与えられた命を生きるほかありません。だとしたら、せっかくなら楽しんだり、納得して受け入れるなりして、前向きな気持ちでありたいと思います。その方が気持ちが豊かになりますから。
そうそう、ドイツ&ベルギーに派遣された後輩牧師は、言葉も習慣も全くわからない異国での生活に緊張しっぱなしだったようで、私たちの訪問をとても喜んでくれました。滞在中行動を共にしながら、彼の地での体験をあれこれ聞く中で、やはり、旅をはじめ、様々なチャレンジは人間を成長させるんだなと、自らの体験をも振り返りながら思うのでした。子どもたちはもちろん、大人もまだまだ成長できますよ!
園長:新井 純
※サグラダファミリア教会での礼拝の様子です。
YouTube内「よろちゅーぶ」で検索してもご覧いただけます。